ここに一つの石があります。
松道流藤沢支部の夏合宿の折、持ち帰った石で40年程、私と暮らしています。
“金(きん)がある“ “こっちこっち“ と急がすのは菱科さんでした。金を指差し、皆がそれに呼応し金色の石を拾う。冷静に“違うよ金じゃない、○○だよ“そんな声は耳には届かない。
その様子を楽しんでいるのが正木さんでした。
正木さんと菱科さんは同じ年齢の友人で、松武館には一緒に入門された杖術の私の先輩です。
正木さんと佐江さんは藤沢から道場に通われていました。佐江さんが“地元でも稽古をしたい“と正木さんに懇願され、藤沢支部が興されたのです。正木さん、佐江さん、菱科さん、そこに私が加わり、支部の骨格ができました。
正木(仕手)さんと菱科(受手)さんの杖術は、菱科さんの柔らかさが特徴で、演武会では、型どおりに留まらない自由な型が見られました。一方、正木さんと佐江さんの杖術は、鋭い気合いと激しい動きで死闘そのものでした。ある時、お二人の演武をご覧になった香取神道流の杉野嘉男先生、先生からのお褒めのお言葉に、恐縮されるお二人の姿が思い出されました。
令和6年5月21日
相久
(写真は昭和50年代後期の松道流藤沢支部の日常の一コマから)
松道流 護身武道 松栄館
当流HPをご覧いただき、ありがとうございます。 当流は昭和18年、旧水戸藩士・武石謙太郎兼相居士の弟子・松本貢兼久が無比流、浅山一伝流、兼相流等諸術を総じて創設しました。身体操法の振り返りにより、日本古来のエッセンスを身につけ、実生活での向上を目指しています。
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