新年にて


 明けて令和六年辰年になりました。

 まずは、被災地の方々にお見舞いを申し上げます。

 思えばテクノロジーの進歩がすさまじいもので、高校生の頃まではポケベルが最先端でしたが、あっという間にスマホになり、緊急時の連絡がスムーズに行えるようになりました。

 それまでは、はがきで暑中、寒中を見舞ったり、文通で安否を気使ったりしたものです。

 昨年中に3世や石久先生が資料整理をされ、色々な史料が出てきました。

 中には、大先生や若先生との、年賀交換の一部もありました。

 いつもは神社にかえすものですが、一部でも私どもの手元に残されたのには、なにか役割があるのでしょう。

 もう、ご存じの通りかと思いますが私どもが継承している武道は、商売道具ではありません。

 水戸藩士が藩校でならい、東京に出稼ぎの際に余暇で伝え、その教え子がまた家と併設した道場で地元民に伝えたモノです。

 そこにはビジネスライクなやりとりにない、濃密な時間とやり取りの中で、手から手への、カタを通してワザが伝わってきたように思います。

令和六年正月二日にて

謙久

松道流 護身武道 松栄館

当流HPをご覧いただき、ありがとうございます。 当流は昭和18年、旧水戸藩士・武石謙太郎兼相居士の弟子・松本貢兼久が無比流、浅山一伝流、兼相流等諸術を総じて創設しました。身体操法の振り返りにより、日本古来のエッセンスを身につけ、実生活での向上を目指しています。