尚樹さんの思い

ある日のこと、

 門人と稽古していたところ、尚樹さんに呼ばれ奥座敷に通されました。尚樹さんから、借地権のこと、健康のこと、おじいさんの武道を残したいという思い、の3点を伺いました。そこで「おじいさんの武道を絶やしたくないので協力をお願いします」との申し出がありました。私は間髪を入れず尚樹さんの申し出を承諾しました。この申し出を成就する為、その後同僚の冨田氏と協議を重ねておりました。

 一年程経った頃、若先生(武久先生)から借地権絡みで道場の閉鎖が伝えられました。道場閉鎖が現実となった折、冨田氏から「道場を建てたら」との提案があり、現在の松栄館道場が出来上がりました。また「おじいさんの武道を絶やしたく無いという尚樹さんの強い思い」が、松道流護身武道三世宗家として私は導かれました。

 現在、松栄館道場には三人の幹部がおります。三人全員が大先生(兼久先生)から指導を受けております。尚樹さんの「おじいさんの武道を絶やしたく無い」という思いを胸に、私たちは松道流に伝わる独特の息吹きを感じつつ日々稽古に励んでおります。

                                               相久

松道流 護身武道 松栄館

当流HPをご覧いただき、ありがとうございます。 当流は昭和18年、旧水戸藩士・武石謙太郎兼相居士の弟子・松本貢兼久が無比流、浅山一伝流、兼相流等諸術を総じて創設しました。身体操法の振り返りにより、日本古来のエッセンスを身につけ、実生活での向上を目指しています。